Beautyインタビュー#2 美容室「rostar」代表 藤山将太:美容室は髪を変えるところではなく、気持ちを変え気分をあげるところ。

 Earth Beautyインタビューシリーズ第2弾は、今札幌で大人気の美容室「rostar」代表 藤山将太氏です。
創業わずか3年半にして、圧倒的なスピードと洗練された世界観によって瞬く間に札幌の美容業界での地位を確立した「rostar」とその代表 藤山氏の魅力に迫ります。

美容師を目指した理由

ーー 本日はよろしくお願いいたします。まずは藤山さんが美容師を目指されたきっかけを教えてください。

藤山:小学生の頃からなりたいものが2つあって、それが美容師と体育の先生だったんです。学生時代の成績が美術と体育だけが常に5で、他は全て2と3みたいな。笑 特化型だったんです。小学生の頃から友達の髪を切ってあげてたんですよ。なんか右も左もわからないんですけど、すきバサミだけでひたすら切ってあげてたっていう。ちょっとやばいですよね。笑 でも、徐々に上手くなっていって高校生くらいになると友達にパーマもかけてあげていました。

美容という世界に初めて触れたのが小学5年生の時。母親に美容室に連れていってもらって、その時の感動が忘れられなかったんです。お洒落な空間やそこで働く美容師さんたちがカッコよく見えた。そこからその美容室に通うようになって、見様見真似で手技を覚えていきました。そして、それを友達の髪で試していたんです。

そうやって、小学生の頃から人の髪を切っていたので、美容師か体育の先生かで迷ったときに、美容師の道に進もうと決めました。ただ、一番の理由は子どもながらに嬉しかったんだと思います。目の前の友達が髪を切ってもらって喜んでいる姿を見ることが。

ーー 小学生のころから既に頭角を現していたというのが驚きです。今年11月にはrostarにも常に置いてある最先端の雑誌『CYAN』のウェブマガジンに遂に取り上げられ、記事も拝見いたしました。撮影時のお話や感想をぜひお聞かせください。

藤山:大変ありがたいことに、札幌で初めて取り上げていただきました。『CYAN』の編集長の方がこれから北海道の方をどんどん取り上げていきたいということで、その第一弾として「rostar」を取り上げていただきました。東京以外の地も発掘していこうというのがあったのではないでしょうか。それで、わざわざ北海道まで来て取り上げていただいたんです。普段、うちは他のところに比べてかなり撮影に力を入れて発信しているので、それが運良く引っかかってくれたんだと思います。自分がやってきたことを誰かが見てくれていて、ちゃんと評価されるんだな、と実感しました。

ーー Instagramでは、どのモデルさんからも「rostar」の世界観がしっかりと伝わってきますよね。

藤山:一昔前は、しっかりモデルを呼んで一眼レフで撮影して発信する美容室が多かったんですけど、SNSが発達し、iPhoneでも気軽にそこそこのクオリティの写真を撮れるようになってしまったので、モデルを起用してメイクからファッションまでをトータルでコーディネートして撮影するような美容室が減ってきてしまっている気がします。その点、rostarは撮影専用のスタジオもあるんですよ。特に、札幌は冬になると外で撮影することがなかなかできなくなってしまう。だから、季節に関係なくスタッフが撮影を楽しめる場所を用意したんです。僕たちの強みは、「発信力」だったり「デザイン力」なので、そこが欠けちゃいけないなと思って。

今の世代は気軽に撮影・発信できるようになった分、全体的なバランスを取りながら、その人に合わせたデザインをする技術が落ちている。技術を持っているのは、僕より上の30代以降の世代ですね。ただ、技術はあるんだけど発信力が弱かったりするんですよね。逆に、”上手くはないが、上手く見せるのが上手い人”が増えている。だけど、それだとリピートしない。

カットが上手いことと、その人に似合うデザインをつくれることは違うんですよ。頭の形だったり、その人の雰囲気に合わせたカットをすることって技術力とは別なんです。むしろ、これがすごく難しい。技術が未熟でもトレンドに敏感な若者世代の方が、なんとなくでそういうカットをつくれたりします。

ーー rostarはそういう意味で、トレンドに合わせた最先端のカットをする技術力もあって、発信力も強い。どちらの強みも持ち合わせていますよね。

藤山:僕自身がどちらかというと、もともと柔軟なタイプだったということもありますが、うちは練習量をどこよりも多く取っているからだと思います。今は、働き方改革などで全体的に練習量が減ってきているんですよ。朝練、夜練はもってのほか。むしろ、「そういうのが悪だ」みたいな風潮があって。だけど、結局お客様のためを考えると、練習量を減らすことは本末転倒なことだと思います。

それよりも僕は、若い世代のデビューを早めてあげることが大切だと思っています。デビュー前のアシスタントの時期って全然楽しくないんですよ。稼げないし。だからこそ、ある程度まとまった期間で練習を集中して行うことで少しでもデビューを早めることができるのであれば、そっちの方がいいなと。

止まらない進化。その原動力とは

ーー 創業わずか3年半にして、現在スタジオを含む3店舗へ拡大し、来年2月には新たに新店舗のオープンを控えていますよね。そのスピードと原動力はどこからきているのでしょうか?

藤山:僕は昔から、「変わらないこと」や「新しいことをしないこと」に不安を感じるタイプでした。そして、自分がやっていることでさえも、同じことの繰り返しだとすぐに飽きてしまいます。なので、常にお客様から飽きられないような環境、楽しんでいただける空間づくりに専念してきました。ただ、うちが大きくなる理由は、下の子たちがすぐ育つからだと思います。rostarでは中途採用は基本的にしないんです。うちのスタイリストはみんなうち育ちです。中途を採ると一瞬売り上げは伸びるのですが、そうするとrostarの組織としての上から下への流れが崩れてしまいます。だから、中途は基本採らないんですよね。

あとは、うちは新卒採用が早いです。普通は美容学校2年生の9~10月に内定が決まるのですが、うちでは1年生の3月に面接、2年生の4月には内定が決まり、そのまますぐに練習がスタートするんです。練習期間を積んでシャンプーができるようになったらバイトとして、次はもう実際にカラーモデルを呼んだりして実践的なことをどんどんこなしていってもらう。最終的に、2年生のうちに美容師1年目が終わってしまうようにカリキュラムを組んでいます。なので、他の美容室と比べるとデビューが1年前倒しになります。

次の世代を育てる経営者としての手腕

ーー 私自身(MAI)も、約3年間「rostar」に通ってきた中で、若手スタイリストさんたちの成長スピードには目を見張るものがあります。

藤山:そうですね。だから、店舗展開も規模拡大を目指してというよりかは、下からどんどん若手が上がってくるので、店に席がなくなるんですよ。せっかく若手がデビューしても店に席がないというのは避けなきゃいけないので。だから、必要に迫られて店舗も拡大してきたという感じです。ただ、それでも現状ぼくが一番席を埋めてしまうので、そろそろぼく専用の店舗をつくろうかなと思っています。笑

ーー どの業界でも経営者は人を育てるという部分で最も苦労していると思います。その点、藤山さんはスピード感を持って、かつ着実に人を育てて拡大されている気がします。

藤山:昔はよく経営の本とかを読んでみたりしたのですが、美容室ってスタッフ一人ひとりが「社長」のような感じなんですよ。スタッフそれぞれにお客様がいて、各自のスタイルや仕事の流儀があって。そうすると、それらをまとめようとする方が無理なんですよね。つまり、全てぼくのやり方や考え方に統一することは不可能なんです。一人ひとりの価値観を尊重しながら、その人に合わせた育て方を見つけていく。その繰り返しです。

ぼくは、仕事以外でスタッフと付き合う時間がとても多いです。コロナ以前は基本週5でスタッフとご飯を食べに行っていました。仕事終わりで大体2時くらいまで。笑 とにかく、仕事以外の場でスタッフたちと人として向き合う時間を一番大切にしています。とくに、スタッフの中でも美容師として技術力を上げて、売り上げも伸ばしてきたトップ層に対しては、「思考」を育てるようにしています。ぼくが普段どのような考え方で仕事をしていて、どうやって下の世代を育てるか?そういった部分を教えます。

藤山:その中で、僕が育てられた育て方は一切しないようにしています。ゴリゴリの体育会系で上下関係もすごく厳しかった。それが全て悪いとは思わないですが、その前提に「楽しい」がないとダメだと思うんです。「楽しい」があるからこそ、「厳しさ」を乗り越えることができる。他の美容室ではまず、「厳しい」を教えてしまうところが多い。rostarでは「楽しさ」をまず一番最初につくってあげるようにしているんです。なので、スタッフたちとは”かたち”だけの上下関係にこだわらず、本質的にフラットな関係性を築くようにしています。だからこそ、スタッフからは気を遣われることはないですね。意見があればズバズバ言われますし。笑 ただ、逆にスタッフのファッションに関しては僕からも厳しく指摘します。お客様から憧れるスタイリストになって欲しいので。「自分に妥協するやつはお客様にも妥協してしまう。」だからこそ、まず自分自身にこだわる。このスタンスは徹底しています。

札幌で展開し続けるワケ

ーー 東京ではなく、敢えて札幌で展開し続ける理由を教えてください。

藤山:他の人が東京に行く理由って、「有名人のカットをしたい」とか「なんとなく有名になりたい」「カリスマになりたい」というような考えで行く人が多いと思うんですけど、僕はずっと「自分の美容室をつくりたい」という思いでやっているので、それだと札幌の方が叶いやすかったんですよね。ただ、あくまでも基準は東京に置いています。札幌の美容室だと、オーナーになった人は良くも悪くも落ち着くのが早い気がします。前線を退くと、どうしても撮影やカットの技術が落ちていく。自分より下のスタッフに売り上げを抜かれてしまうことも多い。だけど、スタッフの尊敬はデザインでしか集まらない。まずデザインで尊敬されていないと、オーナーになってから長続きしない。東京だと、今勢いのある美容室って、必ずトップのデザインが一番なんですよ。しかも、30~40代でも若手扱いされます。その上にカリスマ世代からずっと前線で走り続けている”ゴッド”と呼ばれる層の人たちがいるんです。札幌だと、この”ゴッド”の層がいない。30代でベテランと言われたりする。だけど、僕自身はまだまだ若手の気持ちで今もやっています。意識しているのは、常に東京の最前線の景色です。

経営者でありながらトップとして日々デザインを進化し続ける藤山氏

2020年に作り上げた数あるスタイルの中から「ベストスタイルTOP5」を選んでいただきました。

ーー 今年の10月には札幌の美容学生向けのフォトコンテストを開催されていますよね。そういった取り組みを始められたきっかけや思いは何でしょうか?

藤山:最初のきっかけは、純粋に面白そうだと思ったからです。笑 コンテスト自体で利益とかは全く考えていなくて、こういうのがあったら楽しいだろうな、と思って始めました。とくに今年は、コロナの影響で他のイベント関係も軒並み無くなってしまったので、美容学生たちが輝ける場所を用意したかった。

ーー 優勝者の方の作品を拝見しましたが、とても素敵な作品でした。

藤山:はい。とても素敵ですよね。ちなみにフォトコンテストのテーマは「HAPPY」です。今回このようにコンテストを開催してみて感じたのは、札幌にもポテンシャルのある若者たちが沢山いる。ただ、そういう子たちはみんな東京に行ってしまいます。それは、札幌に”華のある美容室”がないからだと思っています。だからこそ、札幌の美容室といえば”ここ”というような美容室をつくりたかった。rostarが若者たちにとって華のある場所になることで、才能のある本当におしゃれな子たちがどんどん東京に流れていってしまうのを食い止めたいんです。

第1位「My proud grandmother」

今後の展望

ーー 最後に、藤山さんの将来の展望を教えてください。

藤山:2月に新店舗「MUKU」がオープン予定なのですが、うちのお店はちょっと特殊で。だいたいのお店では系列店に同じ名前を使うのですが、ぼくは敢えてバラバラにしています。それぞれの店舗でターゲットにしているお客様の層も全然違います。同時に、それぞれスタッフの教育の場としても設計をしていて、まず最初に「rostar BASE」。その次が「monica」。最後に「rostar」という風に上がっていけるようになっています。お客様の年齢層も実際この順に上がっていきます。新店舗の「MUKU」はさらに年齢層が高めな”大人な空間”を意識しています。まだ最後のデザインを詰めている段階なのですが、このようなイメージです。(非公開のため掲載不可)

ーー (驚)すごい!かっこいい!これデザインは全て藤山さんが?

藤山:ありがとうございます!僕が雰囲気やデザインを色んなところからイメージを探し集めて、それをデザイナーさんに形にしてもらっています。常に、自分が本当に好きなことを楽しんでやっている感覚です。逆に、楽しくないこと、めんどくさいことをやってくれる仲間がいるので。だからこそ、僕は楽しいことだけを考えてそれを前に進めることに集中できる。そして、そうやって仕事を他のメンバーに任せるからこそ、感謝ができる。普段、事務作業をしてくれるマネージャーがいて、教育をしてくれるトップスタイリストたちがいて、掃除をしてくれるアシスタントがいて。全てに感謝しています。彼らがいなければ、今のrostarはないので。

美容師としてはまだまだ若手のつもりで、これからもこのメンバーとともに成長していきたいです。

藤山 将太/株式会社69代表取締役社長

📷Instagram:https://www.instagram.com/69_fujiyama/

rostar : https://beauty.hotpepper.jp/slnH000383558/

monica : https://beauty.hotpepper.jp/slnH000469512/

MUKU (2月1日NEW OPEN) : https://beauty.hotpepper.jp/slnH000443325/

取材・撮影=TORU/MAI
🌏Earth Beauty

TORU/近澤 徹
株式会社Earthist 代表取締役社長。
Earth Beautyでは、美容外科医を志し活躍する傍ら、MAIとともに”真の美”を体現しているヒト・モノ・コトを発信中。

MAI/高橋 舞
某人気コスメティックブランド開発室にて主にメイク・スキンケアを開発中。
Earth Beautyでは「自分が思う美とはなにか」を形にして発信していきます。

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